今月の言葉
春児出産奨励に賛成する
竹内 繁喜
1
1築地産院
pp.9
発行日 1958年9月1日
Published Date 1958/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201527
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2〜3日前の朝日か毎日新聞紙上で,医事評論家の石垣先生が「はるごを奨励する」という事をかかれましたが,私が日頃から考えていた事でしたので大変興味深く読ませて頂きました.恐らく皆さん方も既に了承した事とは思いますが,私見を混えて今一度紹介したいと思います.先生の論説の要旨は,①冬に生れた子供より春に生れた子供の方が育てやすい,②それには子供を5月に生むようにしなければならぬ,③従がつて5月に結婚しても8月1日迄受胎調節をするがいいというのであります.尚先生は冬から春にかけて生れる子供を冬春児(ふゆご),春から夏にかけて生れる子供を春夏児(はるご)と分類しておられました.
誰でも知つている事ですが,お産は冬期及び夏期に多く,春秋二期に少ないもので,殊に12,1〜3の4カ月が最高です.石垣先生は1月が最高数を示しているのは12月生れを1月生れに届ける為だといわれていますが,年令を満年令に算える傾向と,母子手帳の普及によつて,少なくとも都会地ではこの虚偽の届出はなくなりました.試みに過去3年間の私共の産院での出産数は次の通りになつていて,1月が最高です.
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