今月の臨床 治療困難例の排卵誘発
内服剤による治療
1.クロミフェン療法で妊娠率が低い理由は
東 敬次郎
1
,
苛原 稔
1
,
青野 敏博
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.584-587
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902939
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クロミフェン(clomiphene citrate)は米国Merrel社で開発された薬剤で,1961年に市販されて以来,その高い排卵誘発率,投与法の簡便さ,副作用が少なく安価であることなどから広く臨床応用されている.しかし,クロミフェン療法による症例当たりの排卵誘発率は第1度無月経では70%,無排卵周期症では88%に達するものの,妊娠率は28〜30%であり,排卵率が高いにもかかわらず妊娠率が必ずしも高くないと言われている.これはどのような理由によるのであろうか.本稿では,これまでに報告された有力と考えられる説を取り上げて解説するとともに,その対策法についても述べる.
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