今月の臨床 妊娠中毒症—どのように変わったか
病態解明の新しいアプローチ
3.循環動態と血管作動性物質
佐川 典正
1
1京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学
pp.254-257
発行日 1997年3月10日
Published Date 1997/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902855
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妊娠中毒症はさまざまな病態を含む疾患群であるが,その概念は時代により変遷してきた.近年,欧米のみならずわが国においても,妊娠中毒症は妊娠によって惹起される高血圧を中心病態とする疾患群であるとの考えが主流となっている.
血圧調節に関与するおもな因子としてアンジオテンシンII (AII),プロスタサイクリン(PGI2),トロンボキサンA2(TxA2),エンドセリン(ET),ナトリウム利尿ペプチド(ANP,BNP)および一酸化窒素(NO)などがある.本稿ではこれらの血管作動性物質の動態と生理的血管抵抗減少との関係,妊娠中毒症の病態とのかかわりについて述べる.
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