今月の臨床 婦人科外来治療—Dos & Don'ts
その他
2.子宮内避妊具(IUD)
北村 邦夫
1
1(社)日本家族計画協会クリニック
pp.196-197
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902841
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子宮内避妊具(intra-uterine devices:IUD)は,世界で広く使用されている安全で,効果的な避妊法の1つである.1960年代の初め頃から,避妊具としての安全性と有効性を高めるための改良を重ねてきており,当初は非薬剤付加IUDが中心であったが,70年代には銅や黄体ホルモン剤が付加された,いわゆる薬剤付加IUDが登場した.薬剤が付加されることで,IUD本体の大きさが小型化され,それによって出血や疼痛が軽減するだけでなく,避妊率が高まり,脱出率なども低下した.
わが国では現在,太田リング,優生リング,FD—1,カヤクループの4種類の非薬剤付加IUDが使われているが,ようやく銅付加IUDの輸入・販売が許可される見通しがたつという段階である.IUDに対する情報不足,近代的IUDが認可されていないことなどもあって,世界では避妊実行者の26.0%(国連報告,1988年)がIUDを使用しているにもかかわらず,わが国では3.8%(毎日新聞社,全国家族計画世論調査,1996年)に過ぎない.
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