今月の臨床 避妊法—問題点とその対策
避妊法の問題点と対策
2.IUD
寺師 恵子
1,2
1前 国立国際医療センター産婦人科
2加来産婦人科
pp.917-919
発行日 2000年7月10日
Published Date 2000/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904086
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はじめに
子宮内避妊器具(以下IUDと略す)は,経口避妊薬のように毎日内服する必要がなく,一旦,医師に挿入してもらえば数年間は避妊効果が持続する可逆的避妊法であり,避妊作用機序が子宮内膜に限定されているために,全身への影響は少ない.しかも銅附加IUDの有効性は経口避妊薬のそれを上回ると言われている.WHOは1986年にIUDの専門家委員会を召集し「すべての国々の家族計画実施機関では従来のIUDの代わりに銅附加IUDを使用すべきである」との勧告を発表している.従来わが国では,太田リング,科薬ループ(以前のLippes-Loop),FD−1など非薬物附加IUDのみが使用されてきたが,1999年に銅附加IUDであるMLCu−250が認可された.
われわれは1970年代より銅附加IUDを含めた数種類のIUD,延べ2,200症例以上を経験してきた.その使用経験から,IUDの問題点および対処方法,また有効性についても記したい.
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