今月の臨床 着床
着床はどこまでわかったか
3.着床の分子機構—トロフィニンの役割
福田 道子
1
,
灘野 大太
1
1The Burnham Institute
pp.28-31
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902798
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着床は哺乳類の発生にのみ起こるユニークな現象である.着床を細胞生物学的および分子生物学的に研究することは,その解析に必要な試料が限られているため,相当な困難を伴わざるを得なかった。最近,新しい細胞接着分子複合体であるトロフィニン(trophinin)およびタスチン(tas—tin)が発現cDNAクローニング法によって見いだされ,これらの分子が着床時の胚盤胞の栄養膜および子宮内膜被覆上皮にのみ発現することが明らかにされた1).従来から行われてきた,たとえば抗体を用いた分析に加えて,着床に関連した遺伝子を用いた解析により,本現象の分子レベルでの新たな解明が可能になりつつある.
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