今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
体外受精
8.外来体外受精のピットフォールは?
井上 正人
1
1山王病院リプロダクションセンター
pp.1494-1495
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902756
- 有料閲覧
- 文献概要
経腟超音波採卵法の開発により,入院を必要とする腹腔鏡下採卵はもはや過去のものになった.またGnRHアナローグを加味した卵巣刺激法により,卵胞発育のモニタリングも大幅に簡素化された.premature LH surgeの心配はなくなり,入院して経時的にLHを測定する必要もなくなった.HMGの注射開始日を調節することにより,休日を避けて採卵することも,採卵日をあらかじめ設定することも十分可能である.体外受精は名実ともに外来レベルでの診療になったといえよう1).
しかし,外来体外受精にも問題がないわけではない.症例によっては卵巣の位置が悪く,肝心の経腟採卵ができない場合がある.また安全性の面でも,血管損傷による出血,腸管損傷,感染などの合併症をつねに念頭に置き,その予防に細心の注意を払わなければならない.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.