今月の臨床 ホルモン療法—新しい動向を探る
副作用とその対策
2.排卵誘発と多胎妊娠
石川 元春
1
,
山本 美和子
1
,
石川 慶子
1
1いしかわクリニック
pp.1304-1307
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902695
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不妊症診療を行っていくうえで,排卵誘発はその高い有効性のために広く臨床応用されてきている.高い妊娠率が期待できる反面,卵巣過剰刺激症候群と並びその大きな副作用の一つである多胎妊娠も増加している.多胎妊娠に伴う医学的な問題点(流早産,低出生体重児,周産期死亡および母体偶発合併症の増加,児の長期予後など)や社会的問題点(NICUの不足,医療費の増大,出産後の養育費負担の増加など)は非常に深刻な問題を包括しているが,その詳細は他稿に譲る.この稿では,多胎妊娠の動向,予防への努力をレビューする.
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