今月の臨床 ホルモン療法—新しい動向を探る
副作用とその対策
1.排卵誘発と卵巣過剰刺激症候群
青野 敏博
1
,
苛原 稔
1
,
東 敬次郎
1
1徳島大学医学部産婦人科
pp.1301-1303
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902694
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近年,無排卵症の排卵誘発療法が普及したうえに,体外受精—胚移植(IVF-ET)などのARTの増加に伴いhMG-hCGをはじめとするゴナドトロピン療法を行う周期が著しく増加してきた.排卵誘発の際には調節が難しく,ARTのための過排卵刺激では多数の卵を採るため卵巣を強く刺激するので,卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発生数が増加してきた.わが国においても重症のOHSSにより血栓症や脳梗塞を起こして不幸な転帰をとった症例が判明し,1996(平成8)年4月にはゴナドトロピン製剤の使用に関して緊急安全性情報が発せられ警告欄が設けられた.
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