今月の臨床 婦人科外来
内分泌疾患・不妊症患者の診療
7.排卵誘発法
齊藤 英和
1
,
金子 智子
1
,
戸屋 真由美
1
,
吉田 雅人
1
,
王 俠
1
,
高橋 俊文
1
,
太田 信彦
1
,
伊藤 真理子
1
,
齊藤 隆和
1
,
中原 健次
1
,
広井 正彦
1
1山形大学医学部産科婦人科
pp.526-530
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903618
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●はじめに
排卵誘発法の目的は,排卵がない症例に薬剤を服用することによって,排卵を誘起することが主な目的である.しかし,最近排卵がある症例でも妊娠に至らず,種々の検査にても異常がみつからない症例に排卵誘発をすることにより妊孕性を増すことが報告されている.また,体外受精などの生殖補助技術においても,採卵数を多くするために,自然に排卵がある症例でも,排卵誘発による採卵を行っている.いずれにしても,排卵させることによって,妊娠を促進させることが究極の目的である.
また,無排卵であっても症例ごとにその原因が異なるわけであるから,その原因をよく検査し,原因に合った治療法としての排卵誘発を行うことがたいせつである.とくに,甲状腺疾患や副腎疾患,下垂体腺腫など高プロラクチン血症を伴う疾患などはそれぞれ独自の治療法が確立しているので,まずそれぞれに合った治療法を行うことがたいせつである.また,体重減少や服用薬剤による無月経の場合にも,その原因を取り除くことがまず行うべき重要なアプローチとなる.
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