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腹部救急における造影超音波の有用性
畠 二郎
1
1川崎医科大学検査診断学
pp.1193-1195
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102994
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はじめに
現在,わが国で使用可能な超音波造影剤は2種類存在するが,主に用いられている超音波造影剤はソナゾイド(R)(第一三共株式会社)である.この造影剤は水素添加卵黄ホスファチジルセリンナトリウムをシェル(外殻)とするペルフルブタンガスのマイクロバブル(小気泡)であり,バブルを壊さない程度の音圧で超音波を照射することによりバブルの非線形反射を画像化するものである.したがって,造影超音波検査には造影剤とともに,非線形成分(いわゆるハーモニック成分)の画像化が可能な超音波機器が必要であるが,幸いに最近では多くの機種に造影対応の機能が搭載されている.難解な記述で大変恐縮であるが,要は静注することで組織の微細循環が評価できるという優れた手法である.現時点ではわが国におけるソナゾイド(R)の保険適用は肝腫瘍に限られているが,当然のことながら微細循環の評価が診断に役立つすべての疾患で有用である.本稿では腹部救急における造影超音波の有用性について述べる.
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