薬の臨床
子宮内膜症に対するLeuprorelin(リュープリン®)の効果と副作用対策—いわゆるadd back therapyの有用性
合阪 幸三
1
,
梁 善光
1
,
森岡 弘充
1
,
渡邉 剛也
1
,
水口 剛雄
1
,
西平 正之
1
,
民秋 史子
1
,
貝原 学
1
,
森 宏之
2
,
吉田 浩介
3
1帝京大学医学部附属市原病院産婦人科
2帝京大学医学部産婦人科
3吉田医院
pp.1217-1222
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902674
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Gn-RHアゴニスト(リュープリン®)を投与した際の卵巣欠落症状に対して,エストロゲン—プロゲストーゲン(EP)合剤およびE単味製剤によるadd back therapyを施行し,両者の効果を総合的に比較検討した.Gn-RHアゴニストの投与により,子宮内膜症の諸症状は著明に改善し,その効果はadd back therapyによっても妨げられなかった.いずれの薬剤も薬剤の投与により卵巣欠落症状は有意に改善した.血中各種ホルモン値では,エストロンが,add back therapyにより薬剤を投与しなかったコントロール症状に比べて有意に上昇していた.さらにプロゲステロンは,EP合剤投与例でのみ有意に上昇していた.他のホルモン値には著変は認められなかった.以上より,Gn-RHアゴニスト療法中のadd back therapyは,いずれの薬剤でも有用であるが,子宮内膜に対する影響を考えるとEP合剤を用いたほうが好ましいと考えられた.
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