今月の臨床 新生児診療—産科医のためのポイント
新生児適応障害への対応
5.多血症と部分交換輸血
斉川 紀子
1
,
阪橋 家頭夫
2
1葛飾赤十字産院小児科
2昭和大学病院周産期センター
pp.1158-1160
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902658
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静脈血のHt65%以上を多血症(polycythemia)という1).これの同義語として過粘度症候群(hyperviscosity syndrome)があるが,臨床症状に直接関与するのは血液粘度である2).しかし,多くの施設では血液粘度を測定することは不可能であるので,一般的にはHt値で診断することになる.
血液粘度に関与する因子としては,赤血球容積,毛細血管における赤血球の変形性,血漿蛋白,血流速度,血管内径などがあるが,最も重要なものは赤血球容積である3).
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