講座
交換輸血について
山本 皓一
1
1東大産婦人科
pp.58-65
発行日 1957年9月1日
Published Date 1957/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201340
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1.まえがき
交換輸血という言葉は戦後幾度か新聞紙上を賑わしたので,今ではもう,それ程目新しい言葉ではないが,それがどういう内容を持ち,又どういう場合に行われるかということについては,一般の人は勿論,助産を職とする人の間でもまだ充分に理解されていないようである.交換輸血の問題は,血清学や免疫学上の難しい理論が関係しているので,その適応の判断や実際に当つての施行は勿論専門の医師に任せねばならないが,これに関するおおよそのことは,病院に勤務する産婦人科関係のナースや一般家庭に於て妊・産婦と直接に接触しこれを指導せねばならない助産婦諸姉も,或る程度までは常識として知つておく必要があると思われる.難しい理論は省略して,交換輸血について知つておかねばならないことをごく簡単に説明してみよう.
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