増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
感染
重症の敗血症に補助療法(交換輸血など)は有効なのか
德久 琢也
1
TOKUHISA Takuya
1
1鹿児島市立病院新生児内科
キーワード:
EOS
,
LOS
,
SIRS
,
PAMPs
,
DAMPs
Keyword:
EOS
,
LOS
,
SIRS
,
PAMPs
,
DAMPs
pp.448-451
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001340
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新生児敗血症の概要
新生児敗血症は,全身性の細菌,ウイルス,または真菌感染症であり,新生児,特に早産児死亡の主な原因である。出生1,000人あたり4~22人の新生児に発症する1)。胎児の免疫応答は胎生約24週から始まり成熟期まで発達するため,早産児は免疫系の完全な発達の恩恵を受けておらず,正期産児に比べて長期合併症や死亡のリスクが高い2)。新生児敗血症の治療は,起炎菌に対する抗菌薬投与が基本であるが,重篤な臨床症状は炎症性サイトカインによる影響が考えられるため,全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)に対する治療も試みられている。
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