今月の臨床 新生児診療—産科医のためのポイント
新生児適応障害への対応
4.細菌感染症の診断と治療
山南 貞夫
1
1川口市立医療センター新生児集中治療科
pp.1154-1156
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902657
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新生児の敗血症,髄膜炎は,一般には1,000の出生に1〜5の頻度と,比較的低いといえるが,早産児や低出生体重児,あるいはNICUに収容された児ではこれよりはるかに高い頻度となる.また,新生児期に発症する敗血症は,出生3日以内に起こる早発型と,それ以降に起こる遅発型に大別される.早発型は垂直感染によるもので,B群溶連菌,大腸菌が圧倒的に多く,次いで肺炎球菌,インフルエンザ菌,リステリア菌などが起因菌となりうる.妊婦の貧血予防にレバーの摂取が勧められるが,生レバーを摂取したばかりに,これに付着したキャンピロバクターによる新生児の敗血症,髄膜炎が発症したとの報告が近年相次いでおり,注意を要する.
遅発型は水平感染によるもので,B群溶連菌,大腸菌に加えて黄色ブドウ球菌,表皮ブドウ球菌,緑膿菌,その他のグラム陰性桿菌,腸内細菌などさまざまな起因菌で発症する.
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