今月の主題 DNA診断に必要な測定技術
技術解説
細菌感染症のDNA診断
吉川 昌之介
1
Masanosuke YOSHIKAWA
1
1東京大学医科学研究所細菌研究部
pp.409-415
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913622
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DNAプローブを用いハイブリダイゼーション法によって細菌を同定する技術を解説した.
第一の問題はアイソトープ使用の是非であるが,アイソトープを用いない方法が競って開発されている.第二の問題は分類学と臨床的細菌同定のギャップであって,これに対処するためには用いるプローブを目的,菌種などに応じて適切に選ばねばならない.全DNAまたはその一部を用いて事足りる場合は,検体の方にラベルするフォトビオチン法が有望である.特異性の高い病原性遺伝子や16SrRNA遺伝子由来のプローブは検査室で作る訳にはいかず,キットとして市販される方向に行くであろう.早晩,抗生剤感受性テストもこの方法に委ねられるであろうし,全体として機械化の方向に進むものと思われる.
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