今月の臨床 婦人科腫瘍境界悪性—最近の知見と取り扱いの実際
最近の知見
1-2.子宮頸部境界悪性病変—FlSH法,CGH法の応用
西谷 巖
1
,
針生 秀樹
1
,
松田 壮正
1
1岩手医科大学産婦人科
pp.994-1000
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902615
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●はじめに
近年,細胞遺伝学的手法による悪性腫瘍の研究が進展し,相次いで新しい知見が報告されている.癌遺伝子,癌抑制遺伝子など未知の遺伝子の解明もめざましい成果をあげ,とくに乳癌,肺癌,消化器癌などの分野での成果が集積されつつある.婦人科領域では,卵巣癌に関する報告が多く,また,最近では子宮頸癌およびその前駆病変としてのdysplasiaについての検討が始まっている.われわれは,細胞遺伝学的研究の新しい手法として目覚ましく普及しつつあるfluorescence in situhybridization(FISH)法と,その応用として,有力な遺伝子異常のスクリーニング法であるcom—parative genomic hybridization(CGH)法について解説し,これらの方法によって得られた子宮頸部癌化過程の病変として注目されているdysplasiaの遺伝子異常について最近の知見を述べたいと思う.
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