症例
von Willebrand病合併妊娠,分娩の1例
藤原 葉一郎
1
,
川邊 いづみ
1
,
小柴 寿人
1
,
北宅 弘太郎
1
,
田村 尚也
1
,
保田 仁介
1
,
大野 洋介
1
,
本庄 英雄
1
,
松尾 泰孝
2
,
辻 肇
3
1京都府立医科大学産婦人科
2京都府立医科大学小児科
3京都府立医科大学附属病院輸血部
pp.975-978
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902612
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Type II B von Willebrand病合併妊娠,分娩の1例を報告する.患者は22歳時にvon Willebrand病と診断され,28歳で妊娠,妊娠経過中も異常を認めず,陣痛開始と同時に加熱第VIII因子濃縮製剤を投与し,分娩産褥時にも異常出血は認められず良好な経過が得られた.また生児にもvon Willebrand病の発症をみなかった.一般に妊娠中は各種凝固因子は増加するとされているが,von Willebrand病の合併では出血傾向の指標としてリストセチン・コファクター(RCof)と出血時間の測定が有用とされ,分娩開始時にこれらが異常値を示した場合,あらかじめ第VIII因子を投与して異常出血を予防することが必要と思われた.
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