今月の臨床 妊娠と自己免疫疾患
自己免疫疾患をもつ妊婦の管理
7.潰瘍性大腸炎
齋藤 良治
1
,
工藤 香里
1
1弘前大学医学部産婦人科
pp.792-793
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902565
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潰瘍性大腸炎(以下UC)は増悪と寛解を繰り返す突発性炎症性腸疾患である.わが国におけるUCの年間発病率は,人口10万人あたり1985年0.29,有病率は1989年6.741)で,男女とも若年者に多く,発症のピークは10歳代から20歳代にある.女性の妊娠年齢が20歳代に最も多いことから,女性のUC患者が妊娠する可能性は高く,妊娠の偶発合併症としても注目される.発症原因は不明で,免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられている.妊娠や分娩を契機にUCが発症,再燃あるいは増悪し妊娠の継続が困難となる症例もあるが,妊娠が正常に経過し,出産も正常にできる場合も多い.
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