連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
皮下埋め込み型Reservoir(リザーバー)使用時における合併症防止法
森塚 威次郎
1
1国立仙台病院
pp.711
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902549
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,腹腔内悪性病変の治療のために,腹腔用皮下埋め込み型Reservoir(リザーバー)を皮下組織内に設置固定し,これに接続する腹腔内留置カテーテル(チューブ)より制癌剤を必要に応じて繰り返し投与することにより治療成績の向上が図られている.とくに進行卵巣癌の治療において化学療法(化療)施行時に本法の果たす役割は重要であり,長期間にわたり腹腔内病変が局在,あるいは残存しやすいという卵巣癌特有の病態から腹腔内投与法(ip)が有力な投与ルートとして注目され,多数の報告がなされている.従来は報告のほとんどがシスプラチン(CDDP)とカルボプラチンCBDCAをともに静脈内投与法(iv)で投与し,また投与量は体表面積での計算となっていた.しかし1989年Calvertの報告以来,化療施行時のCBDCAの投与量は体表面積よりも腎機能を指標とした投与法がより適切であるとされ,すでに本法を採用し治療を開始している施設も多い.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.