連載 産科外来超音波診断・15
—妊婦外来での超音波スクリーニング—胎児腹部の異常(2):臍滞ヘルニア,腹壁破裂,仙尾部奇形腫
伊原 由幸
1
,
清水 卓
2
1神戸市立中央市民病院産婦人科
2清水産婦人科
pp.715-721
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902550
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はじめに
胎児の腹壁から外向性に突出するような異常エコーがあれば膀帯ヘルニア,腹壁破裂,仙尾部奇形腫などを考える.突出エコーは,臍帯ヘルニアと腹壁破裂では腹部前方に位置し,その実体は腹部臓器である.奇形腫では腹部下方あるいは後方に位置し,実体は腫瘍そのものである.これらは前回述べた消化管閉鎖1)と同様に(重篤な合併奇形がなければ)第3次センターへ母体搬送され,適切な分娩時期が選択され,出生後迅速に手術が実施されれば救命できる可能性がある.そこで出生前の診断が重要になってくる.
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