臨床経験
ICSI(卵細胞質内精子注入法)のシステムの簡素化の試み
森若 治
1
,
神谷 博文
1
,
渡利 道子
1
,
高階 俊光
1
,
東口 篤司
1
,
田中 恵美
1
1斗南病院産婦人科
pp.106-108
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902402
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重度乏精子症,精子無力症などの高度受精障害にICSI(lntracytoplasmic Sperm lnjection;卵細胞質内精子注入法)は広く行われており,本邦においてもすでに分娩例が報告されているが,ICSIのセッティング,手技には熟練を必要とする.今回われわれは,ICSIのシステムの簡素化を試みて,市販のインジェクションピペットを使用し,良好な成績を得たので報告する.
1995年5月に,重度乏精子症5例5周期,36個の卵に市販のインジェクションピペットを用いてICSIを施行した.27個受精,6個損傷があり,受精率は卵操作当たり75%,卵損傷率は卵操作当たり16.7%であった.受精した27個はすべて分割した.5例全例に胚移植を行い,1例の妊娠例を得た.妊娠率は20%であった.現在単胎で妊娠継続中である.
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