今月の臨床 男性不妊をどうする
男性不妊とマイクロ授精
4.男性不妊と染色体異常—ICSI治療への警告
神谷 博文
1
,
東口 篤司
1
,
高階 俊光
1
,
森若 治
1
,
藤本 尚
1
1斗南病院産婦人科
pp.1208-1212
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903091
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従来の体外受精(in vitro fertilization:IVF)で妊娠率の向上が期待されなかった重症男性不妊因子をもつグループに,顕微授精法が臨床応用され,その有効性が認められている1).
現在,その主流となった卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection:ICSI)は,マイクロピペット内に1個の精子を吸引して卵細胞内に直接注入する方法で,注入する精子の成熟,不動,形態,先体反応などにあまり影響されずに高い妊娠率を得ることが判明した.ICSI治療は今や高度乏精子症のみならず,精巣上体精子回収法(microsurgical epididymal sperm aspiration:MESA)や精巣精子回収法(testicular spermextraction:TESE)などにより,閉塞性および非閉塞性無精子症の患者にも妊娠を可能とさせた2).
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