看護管理・2
看護業務の合理化・簡素化
岩田 ウタ
1
1関東逓信病院
pp.70-71
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204578
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多種多様な看護業務分析
看護業務の分析はこれまでいろいろのところで行なわれてきているが,業務の種類に多少の差異があったり,それぞれの業務の占める比率は異なっていても,‘多種多様’である点では変わりないようである.また最近の傾向として諸検査・治療処置など診療補助に関する業務が増大しているという声をよく聞く.
某大学大学院のA婦が最近"看護婦の職業意識に関する調査"として行なったものに次のようなものがある.東京都内の短大ならびに高等看護学院9校を任意抽出し,最終学年の学生全員を対象とし,また同じく都内7病院を任意抽出し,新制度の免許取得者である看護婦を対象として行なったなかで,次のような結果が出ているのであった.すなわち,‘看護という仕事をどのように把握しているか’の設問に対しては学生,看護婦ともに第1位は‘患者の身の回りの世話’をあげているのに対し,‘現実にたずさわっている仕事の順位’となると首位はこれまた両者ともに同じで‘医師の診療の介助’をあげている.(学生においては41%,看護婦では約34%の人)第2位,第3位も両者全く同じで約20-30%の人たちがTPRの測定と記録の作成をあげているのである.これで全体を論ずるわけにはいかないかもしれないが,最も必要なベッドサイドにおける看護ケアの時間のないことを嘆く実態に通じるものがある.
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