今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
効果的治療法の選択
20.多嚢胞性卵巣に対する腹腔鏡下手術
高山 和人
1
,
深谷 孝夫
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.1536-1537
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902337
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多嚢胞性卵巣(PCO)は排卵障害をきたす代表的な疾患であり,種々の卵巣刺激による排卵誘発が試みられている.不妊を主訴とする場合にはHMG-HCG療法を必要とする症例が多いが,この治療法は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)や多胎といった危険を伴うことを考えなければならない.OHSSの既往を持つ症例,あるいはHMG—HCGの無効症例には,従来は開腹による卵巣模状切除術が試みられてきたが.反復施行が困難であることや,術後癒着による将来の妊孕性低下の問題などがあるため,現在ではむしろ避けるべき治療法となっており,内視鏡下での治療が主流となってきている.本稿では,PCOに対する内視鏡下治療法について当科でのデータを基に述べる.
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