今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
4.排卵障害とサイトカイン
吉村 𣳾典
1
,
青木 啓光
1
,
永井 晶子
1
,
中村 幸雄
1
1杏林大学医学部産婦人科
pp.1482-1484
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902321
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サイトカインとは,リンパ球やマクロファージといった免疫担当細胞から産生される生体の免疫反応を制御している分子群の総称であり,細胞の増殖,分化を誘導する生理活性タンパクである(表).
現在まで多くのサイトカインが発見され,その遺伝子のクローニングが行われている.近年,サイトカインは,視床下部・下垂体・卵巣などの内分泌臓器でも産生され,内分泌系機能調節に深く関与していることが明らかになりつつある.排卵の過程が,卵巣局所における急性炎症反応ときわめて類似した現象であることより1),その過程に種々のサイトカインの関与が注目されている.
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