今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の展開
8.レーザーによる顕微授精
荒木 康久
1
,
本山 光博
1
,
荒木 重雄
2
1高度医療技術研究所・中央クリニック
2自治医科大学産婦人科
pp.1155-1159
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902243
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重度男性不妊症に顕微授精はきわめて有用な治療法であるが,手技が難しくいまだ一般化したとは言い難い.1992年,レーザーを用いて透明帯を切開する顕微授精法が初めて報告された1).手技に熟練を要さず短時間で施行できる点から,今後顕微操作を必要とする広い範囲で利用されるものと期待されている.
私どももすでに1年半あまり本法を用いて顕微授精を施行しているが,当初の至適条件を決めるための基礎的研究を終え臨床応用に入っている.妊娠率は21.9%とほぼ満足するレベルに達している.すでに,20例の妊娠に成功し,2例が分娩し,14例が妊娠継続中である.
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