今月の臨床 エキスパートに学ぶ―体外受精実践講座
顕微授精
栁田 薫
1,2
,
猪鼻 達仁
3
,
藤倉 洋子
1
,
片寄 治男
1,2
1国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター
2国際医療福祉大学大学院生殖補助医療胚培養分野
3山王病院リプロダクションセンター
pp.951-955
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101813
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はじめに
卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection : ICSI)は体外受精で受精をはかることができない場合に適応となる媒精法の一法である.1992年にベルギーのグループがその成功を報じて以来,多くの重症男性因子例や受精障害例へ用いられてきた.安定した高い受精率が得られること,多精子受精の心配がないことが長所で,卵子損傷による変性が起こりうること,体外での操作による遺伝的影響の実態が不明なことが短所である.また,当面の課題としては,卵子と精子が存在するのに受精率が100%にならないことへの解決法を考案すること,良質な胚を作成するための良質な配偶子を選別する方法を考案することが挙げられる.以上のことをふまえて,ICSIの実践に役立つ重要なポイントを解説する.
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