今月の臨床 体外受精マニュアル—新しく始める人へのアドバイス
体外受精の基本操作
3.精子調整法
高塚 亮三
1
1永遠幸マタニティクリニック
pp.1067-1073
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902225
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●はじめに
精子の調整に際しては,受精能を有する精子をなるべく数多く集めたいと誰しも考えている.このために,これまで精子の調整法なり精子の賦活法なりが工夫されてきたし,これからもこの方面の努力は続くであろう.ところが,どのように調整された精子調整液であれ,最終的にはその中に含まれる受精能を有する精子の割合を知ることが,授精の条件を決定するためには最も大切なことである.
そこでここでは,図1に示すような手順に従って精子の調整を行い,コンピューター支援精子解析法(CASA)で良好運動精子の含有率を算出し,媒精精子濃度を決定する方法を紹介する.良好運動精子数が不足する場合は顕微授精を行う.CASAのデータの取り扱いには精子の経歴を考慮しておく必要があるので,とくに精巣上体精子については特殊な使用法についても言及する.
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