今月の臨床 イラスト 小手術
産科
23.会陰血腫除去術
河野 勝一
1
1聖マリア病院産婦人科
pp.762-763
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902160
- 有料閲覧
- 文献概要
会陰血腫の発生は700〜4,000例の分娩に1例と比較的まれな疾患である.会陰血腫は分娩が終結し,安堵している時間,すなわち児娩出後,2〜3時間経過した帰室後に発見されることが多い.症例のほとんどは外科的に血腫を除去し結紮止血,あるいは保存的圧迫,湿布法などでこと足りることもある.しかし,血腫が巨大なときや,奥深く後腹膜下方向に血腫が拡大した症例では,全身状態は不良となり貧血症状も強く,ショックに陥り治療に苦慮する重症例もあることよりやっかいな疾患である.それゆえ,会陰血腫は早期発見,早期治療が重要である.また,それ以前の本疾患に対する配慮と予防がたいせつであるのはいうまでもないが,紙面の都合上,本稿では主に会陰血腫の治療の実際について述べる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.