今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック
産科
17.深部静脈血栓症の発症要因
安達 知子
1
1東京女子医科大学第二病院産婦人科
pp.487-492
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902099
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●緒言
19世紀の病理学者Virchowが提唱した血栓形成の3要因(表1)は,今日でも血栓形成の基本要因であるが,妊娠・分娩・産褥は生理的状態として,これらの3要因を背景に有しており,血栓形成の準備状況にあるといっても過言ではない.ここでは,産科領域で近年増加傾向にある深部静脈血栓症のリスクファクターを中心に,この中でもとくに注目されている抗リン脂質抗体(anti—phospholipid antibodies,以下APA)の産科における意義,抗リン脂質抗体症候群のスクリーニングを加えて,深部静脈血栓症の診断と管理について解説する.
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