今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制
GnRHアゴニスト療法
16.乳癌
野村 雍夫
1
1国立病院九州がんセンター乳腺部
pp.324-325
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902068
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乳癌のホルモン療法は,約100年前のBeatsonによる卵巣摘出術に始まる.以後,表1のように,種々の作用機序のホルモン療法が行われてきた.現在,世界的に最も頻用されているのはtamox—ifenであり,閉経後乳癌に対するaromatase in—hibitorsの開発が盛んに行われており,外科的ホルモン療法(卵巣,副腎,下垂体摘出術)は行われなくなった.閉経前乳癌に対しては,tamoxifenの効果がやや弱いこともあり,機能的卵巣摘出術であるGnRHアゴニスト(GnRHa)が注目されつつある.これまで世界的に乳癌に用いられてきたGnRHaは,buserelin, leuprolide, nafarelinなどであるが,わが国では現在goserelin(Zoladex)が承認されている.
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