明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 乳腺
Topics
乳癌のホルモン療法
野村 雍夫
1
Yasuo Nomura
1
1国立病院九州がんセンター
pp.602-603
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207030
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乳癌のホルモン療法はすでに90年近くの歴史をもち,がんの治療法として最も古いものの一つである。表1に示すように多くの種類のホルモン療法が行われてきたが,方法の如何をとわず,ほぼ30%の有効率を示す。大きく分けると,乳癌の増殖因子である性ステロイド(主としてestrogen)の除去を目的とした卵巣,副腎,下垂体を摘出する外科的ホルモン療法と,種々の機構による拮抗作用をもつホルモンなどの薬剤を投与する内科的ホルモン療法に分けられる。
本稿では現在乳癌に用いられているホルモン療法を概観し,ホルモン依存性との関連性を考察したい。
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