症例
Normal-sized ovary carcinoma syndromeの1例
河田 季與美
1
,
竹原 和宏
1
,
宮岡 繁樹
1
1マツダ(株)マツダ病院産婦人科
pp.1219-1222
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903413
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患者は42歳,腹部膨満感と食欲不振を主訴に受診.消化器疾患の検索では異常なく,腹水細胞診がclass Vと血清CA125値が高値を示したことから,婦人科悪性疾患を疑った.画像診断で骨盤内腫瘤を認めるものの,子宮および卵巣に明らかな病変は指摘できず,normal-sized ovary carcinomasyndomeと診断された.原発巣検索のため開腹術を施行.腹腔内に多量の腹水と多数の乳頭状腫瘍を認めたが,原発巣は不明であった.摘出物から卵巣原発の漿液性乳頭状腺癌に類似した所見が認められ,SSPC(serous surface papillary carcinoma)が考えられた.全身化学療法と腫瘍摘出術を施行し,軽快傾向を示した1例を経験したので報告する.
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