今月の臨床 良性卵巣腫瘍—治療方針
治療方針の決め方
17.Postmenopausal palpable ovary syndrome
菊池 義公
1
Yoshihiro Kikuchi
1
1防衛医科大学校産婦人科
pp.286-289
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901211
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婦人科領域の癌,とくに骨盤内臓器の癌,子宮頸癌や子宮体癌では治療法の進歩とあいまって早期診断法が確立されてきたことにより,その予後は大いに改善されてきた。しかしながら,卵巣癌ではシスプラチンという画期的な薬剤の導入にもかかわらずその死亡率は婦人科性器癌の中で最も高く,毎年約3,000人が死亡している。その最も大きな要因は早期診断が困難で診断時点で60〜70%がすでに腹腔内に転移していることである。
1971年にPostmenopausal palpable ovary(PM—PO) syndrome1)という概念が導入されて以来,それを卵巣癌の早期診断のためのサインとして捉え厳重なるフォローアップが行われるようになった。
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