今月の臨床 分娩発来—しくみと調節
陣痛の抑制と強化
14.早産—感染防止の併用と前期破水の予防
平野 秀人
1
,
津田 晃
1
,
小川 正樹
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.194-197
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902039
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細菌感染と流早産
流早産の発生原因として近年,細菌感染による子宮頸管炎,絨毛羊膜炎が重要視されるようになった.その理由は,これらの感染が流早産の原因のかなりの部分を占めていること,それらが一旦発症すると治療に抵抗し早晩分娩に至ること,および重篤な胎児・新生児感染と密接な関係を持つこと,などがあげられる.
図1に細菌感染による流早産ならびに前期破水(PROM)発生の機序を示す.重要な点は,生体防御因子であるはずの白血球やマクロファージがむしろ攻撃因子になること,および局所での炎症反応がサイトカインネットワークにより次第に増幅されることにより,子宮頸管熟化,子宮筋収縮,卵膜の破綻と流早産に向かって進展してゆくことである.
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