今月の臨床 分娩発来—しくみと調節
陣痛の抑制と強化
13.胎児仮死—羊水補充のタイミング
井槌 慎一郎
1
,
中林 正雄
2
,
武田 佳彦
2
1東京女子医科大学産婦人科
2東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.190-192
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902038
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●はじめに
胎児仮死とは「胎児胎盤系における呼吸循環不全を主徴とする症候群」と定義されており(日本産科婦人科学会),その主たる病態は胎児の低酸素症とアシドーシスであると考えられている.その中には主として分娩中に急激に発症する急性のもの(acute fetal distress)と,重症妊娠中毒症や他のさまざまな合併症妊娠,あるいはIUGR症例などにみられる慢性のもの(chronic fetal dis—tress)とがあり,それらの診断および処置には異なった対応が必要であると考えられる1)が,本稿では分娩中のacute fetal distressとその対策(とくに人工羊水注入法amnioinfusion)について述べることにする.
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