症例
Metanephrogenic elementを有した卵巣未熟奇形腫の1例
高松 潔
1
,
木口 一成
1
,
金田 佳史
1
,
牧田 和也
1
,
伊藤 高太郎
1
,
久布白 兼行
1
,
倉持 茂
2
,
向井 万起男
2
1慶應義塾大学医学部産婦人科
2慶應義塾大学医学部病理
pp.1521-1525
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902001
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われわれは,metanephrogenic elementをもつまれな卵巣未熟奇形腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
症例は,24歳,女性.小児頭大の左卵巣腫瘍.組織学的には,粘液産生の強い腺上皮から構成されたmucinous cystadenomaを思わせる管腔構造の間質に核異型と核分裂像を伴ったblastic cellが存在した.特徴的な所見として腎糸球体に類似したglomeruloid patternをもつmetanephrogenic ele—mentが認められた.これらの所見から本腫瘍は未熟奇形腫Grade1〜2と診断された.卵巣未熟奇形腫におけるmetanephrogenic elementはきわめてまれであり,本邦ではいまだ報告がなく,諸外国においてもNicholsonとNogalesの2報告を認めるのみである.
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