今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
難治性感染症
22.MRSA
石引 久弥
1
,
新井 宏治
2
,
二河田 雅信
2
1国立埼玉病院
2国立埼玉病院産婦人科
pp.1250-1253
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901923
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MRSAの特徴
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillinresistant Staphylococcus aureus, MRSA)はDMPPC(methicillin)のみならず,数多くの抗生物質に多剤耐性を示す.
黄色ブドウ球菌がヒトの常在細菌叢を含め自然環境に広く分布し,種々の酵素を産生,ヒトに対する病原性も強く,多彩な感染症を起こすことはよく知られている.MRSAはこの黄色ブドウ球菌であることに変わりはない.多剤耐性であるため,抗菌薬療法が主体となる感染防御力低下患者にMRSA感染症が発症すると治療しにくいばかりか,MRSA菌源となり施設内にMRSA感染症を多発させる危険性が強く,MRSA拡散防止対策が必要となる.
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