今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
術後の難治性合併症
21.静脈血栓と肺梗塞
中山 摂子
1
,
中林 正雄
2
,
武田 佳彦
1
1東京女子医科大学産婦人科
2東京女子医科大学母子総合医療センター
pp.1246-1249
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901922
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静脈血栓および肺梗塞は,以前は日本人には比較的発生頻度の少ない術後合併症として知られてきた.しかし,食生活の欧米化,生活様式の変化に伴い近年増加傾向にあると言われている.また,婦人科疾患は骨盤内疾患であるため,手術後の安静に伴う下肢や骨盤内の血流のうっ滞や,手術操作による血管損傷,さらには不正出血,貧血に対する術前のピルや止血剤の服用などによる血液性状の変化をきたしやすいため,血栓症を生じやすくなると考えられる.本稿ではこれら合併症の予防および発症時の治療について言及する.
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