今月の臨床 骨盤位マニュアル
骨盤位分娩の疫学
2.未熟児
神保 利春
1
,
柳原 敏宏
1
1香川医科大学母子科学
pp.605-607
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901730
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未熟児の骨盤位分娩は,骨盤位分娩のリスクである臍帯圧迫による低酸素状態や,分娩遷延の傾向があること,分娩時損傷の頻度が高いことなどの上に,胎児が未熟であることがこれらを助長し,また胎児自身の予備能が低いため非常にハイリスクの分娩となる.これらの理由より,その取扱いについては,帝切を選択するべきであるとする考えと,児の予後を決定するのは未熟性によるところが大きく,分娩方式による差はなく成熟児骨盤位と同様に経腟分娩を原則とする考えとがあり,結論を得るに至っていない.
そこで,当科における,骨盤位の頻度,帝切率,ならびに,分娩時の胎児状態を反映する指標として臍帯動脈血pHを,新生児の予後に対する因子として頭蓋内出血の頻度について検討した.また,新生児死亡についても検討した.
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