研究
未熟児の臨床(その2)
中川 勲
1
Isao Nakagawa
1
1東北公済病院小児科
pp.269-275
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203862
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I. 臨床検査成績
1)くる病
右腕関節X線所見でくる病様変化を示したのは表1のごとく401例中215例で53.6%の高率にみられた。生下時体重別では小さな未熟児程高率を示し,1,500g以下の群では35例中30例実に85%を示した。在胎期間別では早産児が高率を示している。性別では男女差がない。退院後も継続して検査したが,図1のごとく月令別では3ヵ月が63%で最も高率を示し,4ヵ月以後は減少している。生後2〜3ヵ月にビタミンD60万1回筋注し,その治療効果をみてみたが,治療群と非治療群との間に表2のごとくほとんど差はみとめられなかつた。すなわち未熟児くる病の原因としては,ビタミンDよりは腎,肝,内分泌等の機能不全が強く関与していると思われる(図2)。
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