薬の臨床
更年期のうつ病の臨床像とスルピライドによる治療成績
後山 尚久
1
,
豊田 勝弘
2
,
杉本 修
1
1大阪医科大学産科婦人科
2藍野看護短期大学精神神経科
pp.585-589
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901727
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大阪医科大学産科婦人科における特殊専門外来,婦人心療・更年期・閉経外来において治療したうつ病患者のうち,スルピライドを投与した100例の臨床像を解析し,その治療成績を検討した.100例の初診年齢は46〜50歳の層が最も多く,症状としては「全身倦怠感」,「のぼせ・ほてり」,「肩こり」などの身体症状が上位を占めた.SRQ-Dでは16点以上が60%みられ,失感情症的傾向の性格を63%が示した.
スルピライドの投与により,75例(75%)が4週間以内に症状が改善し,著明な効果が得られた.副作用として,5例に乳房緊満感,3例に乳汁漏出がみられたが,薬剤中止には至らなかった.
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