症例
胎児水頭症および脊髄髄膜瘤を伴ったVATER associationの1例
寺澤 晃司
1
,
吉田 篤司
1
,
長町 典夫
1
,
堀口 英久
2
,
中川 義信
2
1国立善通寺病院産婦人科
2国立療養所香川小児病院脳神経外科
pp.581-584
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901726
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胎児水頭症および脊髄髄膜瘤を伴った VATERassociationのまれな1例を経験したので報告する.患児は開放性脊髄髄膜瘤による水頭症が進行したため,妊娠33週時に帝王切開で出生した.生下時の単純X線写真で著明な脊椎側彎,胸椎椎体の蝶形様変形,多量の胃・腸管内ガス像,右無気肺が認められた.胃チューブの胃内への挿入不可能から食道閉鎖が疑われ,食道造影によりGross C型の食道気管瘻を伴う食道閉鎖が確認された.脊椎異常の合併と合わせてVATER associationと診断した.他臓器には合併奇形は認められず,染色体検査も正常であった.外科的治療を行い,対麻痺と直腸膀胱障害が認められているが経過は良好である.文献上,脊髄髄膜瘤を合併した VATERassociationの報告例は数例のみであった.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.