今月の臨床 IUGR診療
新しい胎児診療の試み
20.羊水中Znコプロポルフィリンの測定
山崎 達也
1
,
金山 尚裕
1
,
寺尾 俊彦
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.314-315
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901652
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Znコプロポルフィリン(以下Zn-CP)(図1)は胎便に特有の物質であり羊水中にZn-CPを証明することは胎便の存在を意味し,周産期における各種診断に応用可能である1,2).現在胎児仮死の診断法として,肉眼的羊水混濁の判定,CTG(car—diotocography),超音波断層法による臍帯動脈血流速度や羊水量測定などが用いられている.その中でも羊水混濁は,胎児仮死の一徴候としてまた胎便吸引症候群や羊水塞栓症の診断においても重要な意味を持つことが知られている.羊水混濁による胎児仮死の診断においては偽陽性率も高いことが知られている,診断精度の向上および羊水混濁の早期発見によりこれら疾患の予防,胎児予後の改善が期待できる.Zn-CPを併用することによりこれらが可能か否かを検討した.
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