今月の臨床 IUGR診療
IUGRの管理
15.分娩誘導のタイミング—妊娠週数からみた帝王切開の限界と胎児仮死の評価
石松 順嗣
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.302-303
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901647
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胎児発育,発達,機能,well-beingの評価は,超音波断層法,胎児心拍モニタリング(NST),超音波パルスドップラ法を用いた臍帯動脈や中大脳動脈の血流速度計測などによって行われている1,2).子宮内発育遅延児(IUGR)においては分娩時期や分娩方法などの管理方法がしばしば問題となるが,その管理方針に関する報告3)は少なくいまだ統一された見解はない.一般的にはNSTを中心とした評価により決定されているのが現状である.細変動の消失や遅発一過性徐脈,高度変動一過性徐脈,持続する徐脈などの胎児仮死徴候の出現には緊急帝王切開術を行うことは異論のないところであるが,NST が non-reactive やreactiveの取り扱いに関しては論議のあるところである,本稿では胎児奇形,染色体異常,多胎を除いたIUGRでNSTと同時に臍帯動脈と中大脳動脈の血流速度計測を行った48例において,NST,臍帯動脈血流速度resistance index(UARI),中大脳動脈血流速度resistance index(MCARI)を中心にIUGRの分娩方法や分娩時期について検討する.
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