今月の臨床 IUGR診療
IUGRの診断
12.胎盤機能の評価
齋藤 裕
1
,
長塚 正晃
1
1昭和大学医学部産科婦人科
pp.288-290
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901644
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胎児と胎盤は臍帯血行を介して密接な関係にあり,その機能を生化学的,生理学的に評価して妊婦管理を行うことは産科臨床上最も重要なことである.今日,胎児のwell-beingの評価としてノンストレステスト(NST)などMEによる管理が一般的であるが,NSTでは胎児の未熟性や睡眠サイクルによるfalse negativeが多いなどの欠点があげられ,胎児発育のモニタリングに生化学的検査の必要性は言うまでもない.
本項では,胎盤機能検査としての尿中エストリオール(E3),血中hPLの臨床的意義について述べると共に,近年胎盤における物質輸送と胎児発育に関与していると目されるインスリン様成長因子(IGF-I)とその結合蛋白(IGF-BP),超音波像における胎盤のGradingと胎児発育の関連について述べる.
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