今月の臨床 IUGR診療
IUGRの病因
2.先天異常でIUGRとなる疾患は?
大木 茂
1
,
和田 義郎
1
1名古屋市立大学医学部小児科
pp.256-257
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901634
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子宮内胎児発育遅延(IUGR)はその成因から胎児栄養障害(fetal malnutrition)と胎児発育不全(fetal hypoplasia)に大別することができる1).前者はIUGRの大部分を占め,妊娠後半(胎齢28週以降)の胎児への栄養,酸素供給不足が主因であるのに対し,後者は妊娠前半より存在する発育遅延で,胎芽病,種々の先天奇形,子宮内感染症などが含まれる.この章のテーマはIUGRを引き起こす先天異常はなにかということであるが,おもに後者の胎児発育不全について紹介する.またIUGRを起こしうる代表的な疾患については表で示した,なお表中,奇形症候群については病名後の括弧内に外表奇形を中心に合併異常を付記した。
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