今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
治療
21.子宮肉腫に対する化学療法
荷見 勝彦
1
Katsuhiko Hasumi
1
1癌研究会附属病院婦人科
pp.1450-1451
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901550
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子宮肉腫の再発率は高い。しかも再発の多くは局所再発ではなく,遠隔転移のため治療上の化学療法の役割は大きい。子宮肉腫の化学療法は,軟部組織や骨の肉腫に有効であった化学療法が従来試みられてきた。しかしそれらの子宮肉腫に対する有効率は低く,ほとんど期待はずれに終っている。現在単剤として最も有効なのはadriamycinで,他にactinomycin D, vincristine, methotrexate,dimethylzyazenoimidazole(DTIC)も有効といわれる。また最近,ifosfamideがmixed mülleriantumorに対して高い有効率を有することがわかってきた。
子宮肉腫の頻度が低いため,一施設のみでは症例数が少なく,子宮肉腫の治療成績を検討することはできない。その意味でアメリカのGynecolo—gie Oncology Groupの報告は,症例数が多く信頼度も高い。なお,子宮肉腫の種類により,同一の化学療法でも有効率が異なるので,できれば平滑筋肉腫,mixed müllerian tumor,内膜間質肉腫などに分けて検討する必要がある。
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